こんにちは、安田ケリー(@kry_ysd)です!
暑がり安田
ということで、人生二度目の北海道に赴いた今夏。
普段車の運転をしないので北海道でもレンタカーは一切借りず、電車とバスのみを利用して、北海道民のあやかさん(@niii_ovo)もビックリの大周遊を繰り広げてきました。
7泊8日で釧路→阿寒→北見→旭川→稚内→札幌を回る、電車とバスde北海道大周遊シリーズ!
1日目の釧路編に引き続き、今回は2日目・阿寒です!
電車とバスde北海道大周遊のルート、日程、費用はこちら。
- 1日目、成田空港→釧路空港(Peach)、釧路観光
- 2日目、釧路→阿寒(定期観光バス「ピリカ号」)、摩周湖・屈斜路湖・阿寒観光
- 3日目、阿寒→北見(都市間バス「釧北号」)、北見観光
- 4日目、北見→旭川(都市間バス「石北号」)、旭川観光
- 5日目、旭川→稚内(宗谷本線「サロベツ1号」)、稚内観光
- 6日目、稚内観光
- 7日目、稚内→札幌(都市間バス「わっかない号」)、札幌観光
- 8日目、札幌観光、新千歳空港→関西国際空港(Jetstar)
- 高知→東京の高速バス:¥7,900
- 成田空港→釧路空港の航空券:¥7,040
- 新千歳空港→関西空港の航空券:¥7,340
- 大阪→高知の高速バス:¥6,170
- 北海道での交通費:¥32,790
- 北海道での宿泊費(7泊):¥31,100
- 北海道での食費:¥14,265
- 北海道でのお土産代:¥17,574
- 北海道の施設等への入場料:¥6,420
合計:¥130,599
2日目は、定期観光バスを利用して摩周湖、屈斜路湖を回り、阿寒町到着後は阿寒湖周辺を散策します。
目次
定期観光バス「ピリカ号」を利用
朝8時、宿泊したゲストハウス Proof Pointを出て徒歩2分のフィッシャーマンズワーフMOOのバス停へ。
2日目の今日は阿寒湖周辺に宿泊したいので、摩周湖、屈斜路湖を回って阿寒湖で下車することができる阿寒バスの定期観光バス「ピリカ号」を利用します。
路線バスを利用して自力で摩周湖と屈斜路湖を見に行く方法も調べてみましたが、あらゆるルートを比較した結果、このピリカ号が一番効率良く多くの観光スポットを回れることがわかりました。
悩む旅猫
私も以前はそう思っていましたが、今回バスツアーを初めて利用して考え方が変わりました。
どの場所も決められた時間内で十分楽しむことができたし、複数の観光スポットを一度に回れるので、何より効率がいいんです。
一人で参加されている方も多いので、人の目が気になることもありません。
旅人ケリー
その便利な定期観光バス「ピリカ号」のコースがこちら。
釧路市内で乗車、阿寒湖温泉、釧路空港、そして最終の釧路市内で降車可能です。
今回私は阿寒湖周辺に宿泊するので、料金は釧路市内〜阿寒湖温泉の3,290円でした。
他の区間の料金と運行期間、予約方法は、阿寒バスの公式サイトでチェックしてくださいね。
バス停で待っていると、時間通りにバスが到着しました。ガイドさんに名前を告げて乗り込み、好きな席に座ります。
バス発車後、ピリカ号の乗車券と道東の観光スポットや地図が載ったパンフレットをもらいました。
釧路駅前、フィッシャーマンズワーフMOO、釧路プリンスホテルを回って参加者が揃ったら、いよいよツアーに出発です!
神秘の湖を一望!摩周湖第一展望台
ガイドさんの案内を聞きながらバスに揺られること約1時間半、まず最初に到着したのは摩周湖第一展望台。
年間100日以上、しかも6月から8月にかけては特に霧が多く発生すると言われている摩周湖。
8月上旬に訪れたこの日も、例に漏れず辺り一面真っ白でした。
目を凝らすと、湖の向こう側がうっすらと見えます。
霧で全く何も見えないという日もあるそうで、「今日はうっすらとでも向こう側が見えてよかったですね」とのこと。おそるべし霧の湖・摩周湖。
母にこの写真を送ると、すぐに「よかった!結婚できる!」という返事が返ってきました。w
急に霧が発生して一気に何も見えなくなることもあれば、いきなり晴れて美しい摩周ブルーが見えることもあるこの摩周湖には、「晴れた摩周湖を見れば婚期が遅れる」、「お金持ちの人が摩周湖を訪れると霧が発生する、貧乏な人が訪れると晴れる」、「晴れた摩周湖を見ると出世できない」など、様々な噂があるようです。
噂自体に信憑性はありませんが、摩周湖のお天気はそれだけ急変しやすいということですね。
摩周湖第一展望台の隣にある「摩周湖レストハウス」では、「摩周ブルー」なる青いソフトクリームや、道産のじゃがいもを使った「摩周いもだんご」というお団子が食べられたり、摩周湖にちなんだ様々なお土産を購入することができます。
空港では売っていない地域限定のお土産がほとんどなので、気に入ったものはすぐ購入しておいた方が良いですよ。
地球のエネルギーを体感!硫黄山
再びバスに乗車し、霧の道を進むこと約15分。次に訪れたのは摩周湖と屈斜路湖の間にある山、硫黄山です。
硫黄山はいまなお噴煙を上げる活火山で、アイヌ語では「アトサヌプリ(裸の山)」と言われています。
駐車場を離れ、砂地を歩いて山に近付いてみます。
強い硫黄の匂いが立ち込め、山肌の至るところからゴウゴウという音とともに熱い蒸気が上がっていました。
現在は山頂までの登山は禁止となっていますが、決められた範囲内であれば歩いて散策でき、ボコボコと音を立てて湧き上がる温泉を間近で見ることができます。
初めて見た光景に、「温泉って本当に湧いて出るんだ…!」と感動しました。地球にはまだまだ知らないことがいっぱいです。
ダイナミックな地球の鼓動を体感したあとは、駐車場からすぐの「硫黄山レストハウス」へ。
温泉といえば!温泉たまご!…は、この硫黄山レストハウスでも人気です。
先ほどの摩周湖レストハウスでも見かけた北海道の郷土料理「いもだんご」や、北海道名物の「メロンソフト」もありました。
店内の飲食スペースのテーブルには、卵の殻を剥く用のガムテープが置いてあります。ガムテープを使うと綺麗に剥けると評判なので、ぜひ試してみてください。
そしてここにもありました!ご当地ステッカーコーナー!(前回は釧路湿原で「魚鬼」ステッカーを購入)
この北海道大周遊で色々なお土産屋さんを回って気がついたんですが、ローカルなものはローカルな場所でしか手に入りません。「札幌や空港で探せばいいか〜」という考えは捨て、これだ!と思ったものはすぐに購入しましょう。
ということで、こちらの「摩周湖」ステッカーを購入。330円(税込)です。
「硫黄山」ステッカーと迷いましたが、このなんとも言えない金色の卍感溢れるデザインに惹かれました。地元のヤンキーが原チャリに貼る感じでスーツケースに貼ろうと思います。
そこら中から温泉が湧き出る?屈斜路湖・砂湯
硫黄山から約15分、続いて見学するのは屈斜路湖の湖畔にある「砂湯」です。
屈斜路湖の名前の由来は、アイヌ語の「クッチャロ(喉・口、湖からの流出部)」。昨日訪れた釧路湿原に注ぐ釧路川の源流です。
1970年代には、湖の中に大きな影が目撃され、謎の生物「クッシー」が棲む湖として話題になりました。
湖畔で砂を掘ると温泉が湧き出てきますが、掘る場所によって温度が違うので火傷に注意してくださいね。
こちらはすでに併設されている足湯。誰でも自由に入ることができます。
「砂湯レストハウス レタラチップ」では、屈斜路湖を眺めながらの食事や、木彫りのグッズやご当地限定のお土産が購入が可能です。
入口では伝説の「クッシー」がお出迎え。
このクッシー、オリジナルのグッズやTシャツ、お菓子も販売されていました。
これが砂湯名物「飲める温泉」。
店内に湧き出ている温泉で、慢性胃腸カタルや肝臓病、尿酸結石等の予防に効果があるんだそう。
飲用泉水質検査報告書も公開されているので、安心して飲むことができます。
ツアー最終目的地は阿寒湖温泉
砂湯から約1時間10分。心地良いバスの揺れにウトウトしていると、最終目的地の「阿寒湖温泉」に到着しました。
他のツアー客の方々は2時間の自由時間ののち再びバスで釧路市街地へと帰りますが、私はここでツアー離脱です。今日宿泊するホテル阿寒湖荘の前で、バスガイドさんと運転手さんにお礼を言って降車しました。
一度訪れてみたかった摩周湖、屈斜路湖をゆっくり見ることができて、大満足のツアーでした。北海道でレンタカーを利用しない皆さんは、ぜひこの阿寒バスの定期観光バス「ピリカ号」を利用してみてくださいね。
さて、ここがホテル阿寒湖荘です。
チェックインにはまだ早い時間でしたが、部屋の準備ができていたようで案内してもらうことができました。夜の温泉が楽しみです。
天然のマリモを展示!阿寒湖畔エコミュージアムセンター
さて、ここからは阿寒湖温泉街を散策します。まずはホテル阿寒湖荘からすぐのところにある「阿寒湖畔エコミュージアムセンター」へ。
特別天然記念物「阿寒湖のマリモ」や阿寒摩周国立公園阿寒地域の自然環境を展示している施設で、周辺の森に住む動物や魚、湖、火山について学ぶことができます。入館は無料。
入ってすぐのところで目についたのは、大きなエゾシカの頭骸骨。
ここ北海道に生息するエゾシカの生態について学ぶコーナーで、子供にも分かりやすいように解説されていました。
普段なかなか見ることのない資料が多数展示されていて、見て触れて楽しむことができます。
印象に残ったのは、ヒグマ「大助」の剥製。推定7歳。
写真左側のボードで、ヒグマの生態や季節ごとの生活など、様々なことが解説されていました。
バスの中でガイドさんが案内してくれたのですが、この周辺の山道ではヒグマに遭遇することもあるそうで、「特にクマが多く出る今の時期はオススメしませんが、もしボッケ遊歩道を歩いて散策される方は十分注意してください」とのことでした。
動物好き安田
そしてその「ボッケ遊歩道」がこちら。阿寒湖畔エコミュージアムセンターのすぐ裏から広がっています。
鳥の鳴き声が聞こえる以外静まり返っていて、今にも野生動物がひょっこり顔を出しそうな雰囲気です。
「ボッケ」とはアイヌ語で「煮えたつ場所」という意味で、地質現象の「泥火山」を指します。
地下の泥が火山ガスとともに吹き出て盛り上がったり、あぶくの膜を破裂させたりする現象で、吹き出している泥は97度にもなるんだとか。ここ阿寒湖畔エコミュージアムセンターから徒歩15分のところにあり、近くまで行くとその様子を観察することができます。
「道中で野生動物に会える!」「地球の呼吸を観察できる!」と聞くととても興味がそそられますが、知識もなくたった一人でこの大いなる自然に溶け込んでいく勇気はありません。写真を撮って、すぐにセンターの中に戻りました。
何よりここでの目的はこれです。天然のマリモ!
大きさは大小様々。丸々としていてとってもかわいいですよね!
実は生育条件をはじめとするマリモの生態はいまだに不明な点が多く、これまで集合形態を維持したまま長期間に渡って栽培することが困難でした。
しかし、栽培条件や清掃方法など日常の管理技術を改善した結果、同一のマリモの継続栽培が可能に。ここ阿寒湖畔エコミュージアムセンターのマリモは2001年から展示されているものです。
特に直径15cmを超える大きなものは超レア!この機会にぜひ写真に収めてくださいね。
阿寒湖畔エコミュージアムセンター
住所:北海道札幌市新橋大通1-1-19
開館時間:9:00〜17:00(夏季期間8/1〜8/20は9:00〜18:00)
休日:火曜日(火曜祝日の場合は翌日)
アイヌ文化を知る!阿寒湖アイヌコタン
天然マリモに癒されたあとは、いよいよ「阿寒湖アイヌコタン」へ向かいます。
実は、今回の北海道大周遊の裏テーマは「アイヌ文化を学ぶこと」で、阿寒湖アイヌコタンは一番楽しみにしている場所!
温泉街の東端にある阿寒湖畔エコミュージアムセンターから西の端の阿寒湖アイヌコタンへは15分ほど歩きますが、ワクワクしすぎてあっという間に到着しました。
入口です。
翼を大きく広げるフクロウが大迫力…!
目がギラギラと光っているように見え、思わず見入ってしまいます。
この阿寒湖アイヌコタンは、前田一歩園財団の3代目園主である前田光子氏が、アイヌの生活を守るために土地を無償で提供したことから始まりました。
北海道各地からアイヌが集まり、現在は36戸・約120名が実際に生活を営んでいます。ちなみに「コタン」はアイヌ語で「集落」という意味です。
アイヌ料理「民芸喫茶ポロンノ」
時刻は14時近く。朝から何も食べておらずお腹がペコペコなので、お土産屋さんを見るよりも先にランチランチ!
今まで食べたことのないアイヌ料理に興味があったので、一目散に「民芸喫茶ポロンノ」へ。
店頭のメニュー。写真と説明付きなので、初めて見るアイヌ料理でも内容がわかりやすいです。
ランチにしては遅めの時間ですが、店内はほぼ満席。さすがは観光客だけでなく地元の人も通う人気店!
一人だったのでカウンター席に案内されました。店内はアイヌの民芸品や雑貨、本、ポスターがたくさん飾られていて、レトロな雰囲気です。
ワクワクしながらメニューを開きます。
事前のリサーチによると、定食の「ユク(鹿)セット」や「チェプ(鮭)セット」、「ユック丼」、「ポッチェイモ」が人気みたい。
タレに漬け込んだエゾシカ肉を使った「ユック丼」を注文しました。
分厚くカットされたお肉がボリューム満点!税込だと1,100円です。
初めて食べた鹿肉は、「え、牛肉?」と思うくらい臭みもクセもなし。馴染みのないジビエ料理にビビっていましたが、おかわりしたくなるほどハマるおいしさでした(お肉に詳しい友人に感想を送りつけたほど)。
こちらはポロンノ名物「ポッチェイモ」。495円(税込)。
メニューの説明によると、「冬の間雪の下で眠っていたジャガイモを春の暖かさと共に自然発酵させて作ったもので、どんなものも無駄にしないアイヌの人々の知恵の結晶!手間暇かけて作ったポロンノを代表する一品」とのこと。
バターはあらかじめ乗っているので、お好みで塩をかけて食べます。
表面はカリカリ、中はもっちり。素材のやさしい味に、バターがよく合っていました。
民芸喫茶ポロンノ
住所:北海道札幌市阿寒町阿寒湖温泉4-7-8
開館時間:12:00〜15:00・18:30〜21:30(5月〜10月)、12:30〜15:00、18:30〜21:00(11月〜4月)
休日:不定休
ホームページ:https://www.poronno.com
公式Twitter:https://twitter.com/poronno(営業時間の確認ができます)
阿寒湖アイヌシアター「イコロ」
初めてのアイヌ料理に大満足したところで、阿寒湖アイヌコタンを散策開始!
コタンを端から全体的に見てみようと思い、一番奥の阿寒湖アイヌシアター「イコロ」へやってきました。
アイヌ大好き安田
ここは2012年にオープンした日本初のアイヌ文化専用劇場で、古式舞踊、ユーカラ劇、音楽、人形劇など、様々な表現で文化伝承を行っている施設です。
アイヌ文化を伝えるために欠かせない炎が使用できる構造となっており、これまで野外で上演していた「イオマンテの火まつり」が室内で観られるようになりました。
館内のチケット売り場の前には、現在行われている公演の案内や、その他アイヌ文化に関する催し物の告知がたくさんあります。
その中に、2019年春から現在も上演されている「ロストカムイ」に登場する「ホロケウカムイ」について解説されているコーナーを見つけました。
アイヌ文化では、人間の世界の他にカムイ(神)の世界があると信じられています。動物や植物、自然現象など、この世のあらゆるものに魂が宿っている、と。
このプログラムの主人公であるエゾオオカミは、カムイの中でも別格。アイヌ語で「ホロケウカムイ」といい、強くて賢いカムイとして人々から敬われていました。
しかし北海道の開拓が進むにつれ、エゾオオカミの食糧となるエゾシカが減少。食糧不足となったエゾオオカミは、人々の飼っている家畜を襲うようになります。それに困った人々の手によって駆除され、エゾオオカミはついに絶滅してしまいました。
失われたカムイは、何を思い、何を語るのか。
そんなホロケウカムイを、最新の演出とともに舞台で表現するのがこの演目「ロストカムイ」です。
唐突ですが、なぜ今回私が北海道を訪れたのかをここでお伝えしておきます。
一つ目の理由は、前回の記事の冒頭にも書いた「以前修学旅行で訪れた北海道を、次は自分の意思で見て回りたい」です。
そして二つ目の理由が、
マンキン大好き安田
シャーマンキングとは…
夜の墓場で小山田まん太が出会った少年・麻倉葉。600年前のサムライの霊・阿弥陀丸と運命的な出会いを通して、麻倉葉はシャーマンの王・シャーマンキングになるための資質を開花させていく。 宿命のライバル・道蓮をはじめ、世を浄化するシャーマンの王を目指す様々なライバルたちの登場。巨大な2つの彗星が夜空を駆け、世界中のシャーマン達にシャーマンキングの座を巡る闘いの始まりを告げる。
ホロホロとは…
北海道から上京してきたアイヌのシャーマン。アイヌの小人・コロポックルたちが住める広大なフキ畑を作るためにシャーマンキングを目指す。女神と狼の間に生まれたと言われる一族の末裔であり、本名は「碓氷ホロケウ」。これは「ウフュイホロケウ」に由来しており、ウフュイは「炎」、ホロケウは「狼」を意味する。持ち霊はコロポックルの精霊・コロロで、O.S.の媒介は妹・ピリカ手製のイクパスイ(アイヌが使用する木彫りの祭具)。技名は「カウカウプリウェンペ(あらくれ者の雹)」「モソソクルッペ(眠っている者を目覚めさせる霜)」など、アイヌ語が多数使用されている。情に厚い熱血な性格で、普段はツッコミ役。ときどき「イヤッホロウ」や「なるホロ」など独特の言葉を使う。
(大のホロホロファン・安田ケリーによる愛のある解説)
ちなみにこれが私のマンキングッズコレクションの一部。(いらん)
小学校5年生のときに出会った漫画「シャーマンキング」に登場する「ホロホロ」というキャラクターがアイヌの末裔という設定だったことで、子供ながらにアイヌ文化に興味を持ち、大人になって自由に旅ができるようになった今、自ら北海道に赴いてその知識を深掘りしたいと思ったのが今回の旅を決めた第二の理由であります。
このシャーマンキング(通称マンキン)、連載開始は1998年というちょっと古い漫画ですが(同世代にはあんまり分かってもらえない)、途中連載が打ち切られたりなんやかんやもうほんと色々あったものの、私を含む熱烈なファンの想いが届いたようで、現在は講談社から漫画や小説で外伝が出版されたり新作アニメが放送されたり様々なところからグッズが発売されたり(もう夢のよう!)、世間では再びシャーマンキング旋風が巻き起こっています。ぜひ皆さんもチェックしてみてください!
とにかく、「アイヌ文化を学ぶ」というのが今回の旅の裏テーマです。これ以降の北海道記事でも、シャーマンキング×アイヌについての解説を繰り広げていくのでぜひ注目してください!
さて、マンキン愛を語り始めたらあっという間に数年経ってしまうので、そろそろ本題の「ロストカムイ」の解説に戻りましょう。
演目「ロストカムイ」
このプログラムは、阿寒湖温泉のアイヌの人々が継承してきた歌や踊りなどの伝統文化を、国内外から同地を訪れる多くの人々に知ってもらうために企画されたもので、ヨシダ ナギ、Kuniyuki Takahashi、UNO、WOW inc.、坂本大輔(JTBコミュニケーションデザイン)といった、写真やデジタルアート、サウンドデザインなどの分野で注目を集めるクリエイターが阿寒湖に集結し、アイヌ古式舞踊、現代舞踊、3DCG、7.1chサラウンドを組み合わせ、5台のプロジェクターで舞台を立体化した新演目、「ロストカムイ」を制作しました。
プレスリリースを読んだ安田
なんと!私が大好きな写真家、ヨシダナギさんが関わっているじゃないか!!
ヨシダナギ(フォトグラファー)
独学で写真を学び、アフリカやアマゾンをはじめとする少数民族や、世界中のドラァグクイーンを撮影、発表。唯一無二の色彩と直感的な生き方が評価され、2017年日経ビジネス誌で「次代を創る100人」へ選出。また同年、講談社出版文化賞写真賞を受賞。以降、国内外の撮影やクリエイティブディレクションなども多数手がける。
以前、当ブログでヨシダナギBEST作品集「HEROS」発売記念展示のトークイベントのレポートをさせていただきました。
このトークイベントに参加して以来、「好きだから撮る」というシンプルな考え方と、力強い“HERO”たちの写真に魅了され、すっかり彼女の大ファンに。2020年10月に横浜で開催された写真展「DRAG QUEEN -No Light, No Queen-」もしっかり見てきました(もちろん写真集も事前に購入)!
そのヨシダナギさんが、「ロストカムイ」のキービジュアルを担当されていました。よく考えれば民族繋がり、そしてこの構図…。
ヨシダナギファン安田
ということで「ロストカムイ」、観劇してきました。
ホロケウカムイの尊厳を体現するダイナミックな現代舞踊、アイヌの伝統の古式舞踊、そして穏やかながらも時には驚異となる北海道の大自然を表現するデジタルアート。
まさに「融合」という言葉がふさわしく、その世界に見入ってしまい、あっという間の30分間でした。炎が出てくるシーンは特に注目です。
阿寒湖温泉を訪れた方は、ぜひ生でこの演目の迫力を体感してください。
料金は大人2,200円、小学生700円。上演時間はこちらから確認できます。
阿寒湖アイヌシアター「イコロ」
住所:北海道釧路市阿寒町阿寒湖温泉4-7-84
座席数:332席(後部立見観覧数約120人)
アイヌ文化伝統・創造館「オンネチセ」
ロストカムイの余韻に浸りながら、続いてはシアターイコロからすぐのアイヌ文化伝統・創造館「オンネチセ」を見学します。大きなフクロウが守っているようにも見える、この建物です。
かつげ劇場だったオンネチセですが、2020年11月にリニューアルオープン。アイヌ民族の古い生活用具や衣服、装飾品、祭具などが多数展示されていて、彼らの暮らしを知ることができます。
入館料は大人500円、小学生250円。
これは「チェプケリ」という靴。分厚く丈夫な鮭の皮で作られていて、滑りにくいので川で漁をするときに重宝したそうです。大人用1足につき、鮭3〜4本が必要。
「メノコイタ」は、お客さんに食べ物を出すためのもの。左側のお皿の部分に魚の燻製や肉などを盛って刃物を添えて出し、お客さんは右側のまな板部分を使い、それらを自由に切って食べることができる便利な道具です。
館内を見て回っていると、入館の受付をしてくれた女性が話しかけてくれて、展示物の解説をしてくれました。
「このメノコイタは今でも使用されているんですか?」と聞くと、「私は使わないけどウチにもあったよ」とのことです。すごい。
アイヌの衣服も多数展示。独特の文様は魔除けとして刺繍されるもので、地域ごとに特徴が異なります。
この「ルウンペ」は、帯状にした布をおったり曲げたりして、アイヌ語「ル」が意味する「道」を作るように文様を描いていきます。手が込んでいて豪華なルウンペは、主に儀式などで晴れ着として着用されました。
受付の方によると、文様の刺繍には集中力と時間をかなり要するそうで、完成までに一年かかったものもあるんだとか。一針一針に、女性の祈りが込められています(刺繍は女性の仕事だったのです)。
数ある展示物の中で、私が一番感動したのがこれ。
先ほど紹介したシャーマンキングのホロホロも媒介に使っていた、アイヌの男性の祭具「イクパスイ」!
「イクパスイ」こと捧酒箸は、カムイ(神)に願い事を伝えるための大切な道具です。酒などの供物を捧げる際、人間とカムイの仲立ちをする役割を果たすものとされました。平らに削った約30cmほどの木の棒の表面に、家紋などの文様を彫って作ります。
一つ一つに施された丁寧な彫刻に感動。どれもとても細かく繊細で、思わず見入ってしまいます。
今回の北海道大周遊では、各地の各施設で出会ったイクパスイというイクパスイを全て写真に収めました。
…というか、イクパスイを見るために、旅程の基準をアイヌに関する施設の有無にしたと言っても過言ではありません。(実際、今回周遊した6ヶ所のうち3ヶ所は、アイヌと特に深い関係である地域だという理由で訪れました)
今後の記事でもしっかり紹介していくので、すべてのイクパスイ好き、ホロホロ好き、北海道好き、いやいやこの記事を読んでくださっている方々は楽しみにしておいてくださいね!(圧)
アイヌ文化伝統・創造館「オンネチセ」
住所:北海道釧路市阿寒町阿寒湖温泉4丁目7-19
開館日:夏季(5~11月) 毎日、冬季(12~4月) 土曜、日曜、祝日 ※年末年始除く
開館時間:9:00〜17:00
お土産屋さんで民芸品を買う
最後は阿寒湖アイヌコタンでのメイン!かわいい民芸品を探しましょう!
20店舗以上のお土産店には、世界的な木彫師による木彫りの雑貨、アイヌ文様が美しい刺繍作品、アクセサリー小物、ムックリなど、見ているだけでも楽しい民芸品がたくさん並んでいます。
中でも、阿寒湖といえばやっぱりこれ!マリモ!
天然ではありませんが、一週間に一度水を換え(水道水でOK)、ほどよく光に当てていると(室内の明るさで十分)、少しずつ成長していく姿が伺えます。
コルクの蓋がかわいい瓶のものを1つ購入。2玉入りで440円(税込)です。
店主の方に育て方を質問すると快く答えてくれ、会計のときには水も交換してくれました。どの店舗の方もとても親切なので、わからないことがあれば聞いてみてくださいね。
同じお店でこんなものも発見。
北海道内に実際にある標識をデザインしたマグネットです。「ツル注意」「馬横断あり」など、「ほんとにあるの!?」というようなおもしろいものがたくさん。
小さい標識は165円(税込)、大きい標識は385円(税込)です。
旅人あるあるですが、小さくて軽くてかさばらないお土産が大好きなので、「鹿飛び出し注意」の小さい標識を購入しました。
このお土産屋さんは「サンラマント」というお店で、他にも森の小人「ニングル」や「コロポックル」などのアクセサリーが人気です。ぜひチェックしてみてください。
この「サンラマント」を始め、ここ阿寒湖アイヌコタンのお店はどこも外観がかわいい!
お店の看板のフォントにも注目です。もう何年も前からフォント沼にズブズブなブロガー兼動画編集者のわたくし、独特なフォントがとても気に入り、ほぼすべてのお店の外観を撮影しました。
また、アイヌ語を店舗名にしているお店が多く、シャーマンキングに出てくる名前でもある「ピリカ」「コロポックル」には特に大興奮!アイヌコタン、予想以上に楽しいぞ!?
今回訪れたのは夏の日の昼間でしたが、次はライトアップされる夜と、雪が輝く冬に行ってみたいです。
オリジナル商品多数!阿寒湖温泉街のお土産店
阿寒湖アイヌコタン以外にも、阿寒湖温泉街にはお土産屋さんがたくさんあります。
ホテルに戻るまでの間に見つけた「ユック民芸店」というお店でステッカーと、別のお店で(店舗名失念)小さな木彫りのきのこを購入しました。
「熊出没注意」ステッカーは275円(税込)、その左の「Lake Akan」ステッカーは1枚165円(税込)、木彫りのきのこは1つ200円(税込)です。
この「Lake Akan」ステッカー、ユック民芸店の方によると、北海道で定番の人気商品「熊出没注意」をデザインした方がデザインしたもので、他のお店ではほとんど売ってないとのこと。たしかに今回の旅でこれを見かけたのはここだけだったので、かなりレアです。
その他にも、ユック民芸店にはオリジナルのステッカーやおもしろいグッズが盛りだくさん。定番とは別のものを買いたい!という方はぜひ立ち寄ってみてくださいね。
北海道限定商品をトライ
ホテル阿寒湖荘で温泉を楽しんだあと、部屋でご当地ものを楽しみました。
北海道限定販売のビール「サッポロクラシック」と、セイコーマート限定販売の「鮭とばコーンチップス」。
この鮭とばコーンチップス、ハマりすぎてお土産用に5袋も買っちゃいました!マジでおいしい!高知の友達に布教します!
こちらは以前から気になっていた網走ビールの「流氷ドラフト」。
北海道の網走ビールがめっちゃ綺麗…!
これはぜひ飲んでみたい🤔 pic.twitter.com/iEjRxHwYHb— 安田ケリー😈 (@kry_ysd) July 21, 2021
なんとこれ、ホテルの売店で発見しました!お会計をしてくれたスタッフの方が「これこの間飲んだんですけど、おいしかったですよ」と教えてくださり、ルンルンで部屋に戻ります。
グラスに注いでみると、本当に青い!柑橘系のさっぱりした味でおいしかったです。
北海道の他の地域でも売ってるかなあ…と心配していたんですが、札幌駅にある「北海道どさんこプラザ」で瓶のものをGETしました。お土産屋さんやコンビニでちらほら見かけたので、結構手軽に買えるようですね。
【まとめ】2日目・阿寒のタイムスケジュールと費用
以上、北海道大周遊2日目は、釧路→阿寒と阿寒観光の模様をお伝えしました!
今回のタイムスケジュールと主にかかった費用のまとめです。
- 釧路市内(→摩周湖→屈斜路湖)→阿寒湖温泉(8:00→13:00)/3,290円(定期観光バスピリカ号)
- 阿寒湖アイヌコタン散策
- 阿寒湖アイヌコタン内シアターイコロ/2,200円(入場料)
- 阿寒湖アイヌコタン内オンネチセ見学/500円(入場料)
- 阿寒湖温泉街散策
- ホテル「阿寒湖荘」/9,650円(1泊)
この北海道大周遊でも特に楽しみにしていた阿寒散策で、裏テーマの「アイヌ文化を学ぶ」というのを進めることができました。
漫画「シャーマンキング」を読んでアイヌ民族の存在が身近になって以来、「いつかアイヌの文化を体感するために、実際にその地へ赴いてみたい」と思っていたのが叶って感激です。
百聞は一見に如かずと言いますが、まったくその通りだと思います。これまで教科書や本で取り入れてきた知識も、自分の目で見て聞いた古式舞踊、舌で味わったアイヌ料理、手で触れた民芸品、肌で感じたアイヌの土地の雰囲気の確かさには敵いません。自分の足で訪れてみて、本当に良かったです。
皆さんもぜひ一度、摩周湖と屈斜路湖で地球の鼓動を体感し、阿寒湖でアイヌ文化に触れてみてくださいね。きっとシャーマンキングも読んでみたくなるはず!
電車とバスde北海道大周遊シリーズ、次回は3日目・北見での模様をお伝えします!
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