結論:英語ペラペラになりたいなら海外生活をお勧めする

何も変わらない、普段通りの朝の営業。

それは突然やってきた。

 

「Which is the best out of all of these?」

 

……!?!?!?!?

 

 

驚いて顔を上げると、ウチの商品を物色する外国人の方々。

全員女性で、どうやら三世代に渡るご家族のよう。

 

ここは田舎のデパートで、外国人の方が買い物しに来るなんてことは滅多にないのだが。

…いや、そういえば朝礼で、今日客船が入港してるって言ってたな。

外国の方にとってウチの商品は物珍しいようで、店前の商品を触りながら、なにやら英語で会話していることがたまにある。

 

と言ってもその程度で、大体の人達は一通り見て満足すると去っていってしまうので、今回もそのパターンかと思い完全に油断していた。

しかし、そのご家族は商品を試着したいようで、再度私に英語で問いかけてくる。

私はその問いに、知っている数少ない英単語と身振り手振りを駆使して、全力で応対した。

 

結果を先に言うと、

決して安くはない商品が、ものの5分で売れた。

 

 

日本で週に一回、三ヶ月間通った英会話で学んだことは、今回の接客では全くと言っていいほど役に立たなかった。

ニューヨークに滞在して感じたのだが、ネイティブな英語って、日本人講師が話す英語とは明らかに違うのだ。

 

思わぬ接客で一瞬パニックになった私を助けてくれたのは、先々月に訪れた、ニューヨークで聞いた生の英語の感覚。

滞在は五日間というとても短い期間だったが、空港でもレジでもレストランでも、慣れない英語を一生懸命「聴き取ろう」としていたのは事実だ。

 

ニューヨークを訪れる前に、同じように客船で来たアメリカ人の応対をしたことがある。

しかしこのときは英語を聴き取るのも一苦労、その上こちらがしゃべれた英語なんて、ほんの二つ三つの単語だけだった。

 

そのときから言うと比べ物にならないくらい、彼女達の話す英語がすんなりと耳に入ってくる。

相手がこちらに何を聞いているのか、何を言っているのかが大体分かるのだ。

内容が分かることに気がつくと、自分自身もだんだんと落ち着きを取り戻す。

その落ち着きによって、こちらが返さなければならない単語が思い浮かぶスピードも、以前より断然速い。

 

「ああ、ニューヨークで滞在していたときと同じだ。なんだか懐かしい」

接客の合間に、そんなことを思うような余裕さえあった自分に驚いた。

 

 

英語を「聴き取ろうとする力」。

これは、日常的に英語がしゃべられているような環境でないと、なかなか身に付かないように思う。

英会話教室に通っていても、教室を一歩出ると、私達にとっての"日常"である日本語が飛び交う世界に戻ってしまう。

それは「聴き」取ろうとしなくても勝手に「聞き」取れる世界だ。

 

何が言いたいかというと、

「早く英語を話せるようになりたければ、英語圏で生活をするのが一番の近道」

なのではないかということ。

 

日本での生活に意識的に英語を取り入れることは可能だが、それにも限度がある。

英語を日本で一年間学ぶのと、現地で一年間学ぶのとでは、その「質」も違ってくるのではないだろうかと考えた。 

この考えが浮かんだ今、日本で英会話に通うことなんて、これから先ないだろうなと思った。

 

 

言葉の通じない、ある意味自分達を追い込んだ環境だったニューヨークでの経験が、自分を少しだけ成長させてくれたことを実感した日だった。

 

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