旅のはじまり、運命とか必然とか。

 

自身初となる海外旅行を、なぜニューヨークと決めたのか。

その動機は非常に在り来たりなものだった。

 

gossip girlとの出会い

 

19だったかハタチだったかの頃、海外ドラマが大好きな先輩に「gossip girl」というドラマを勧められた。

セレブ高校生達の波乱万丈生活を描いた、女の子に人気のドラマだ。

過去に地上波で放送していた「glee」を観て海外ドラマに興味を持っていた私は、早速レンタルビデオ屋で「gossip girl」なるものを借りてみた。

DVDを数本見るや否や、登場人物やストーリーにどんどんハマっていった。

 

外国のセレブってほんとにこんな感じなのかなあ。

くっついたり離れたり、外国人の恋愛って展開が早いなあ。

最初はこの程度だった。

しかしその後、シーズン1・シーズン2と見ていくうちに、ドラマの内容だけではなく、その舞台となっている街自体に興味を持つようになったのだ。

 

「これがアメリカ、ニューヨークなのか」

 

街を行き交うイエローキャブ、碁盤の目のようになった町の構造、見たこともない光の数々、日本とは異なる衣食住。

いつの間にか、このドラマの舞台となったニューヨークへ行ってみたいと強く思うようになった。

 

それまで誰に教え込まれたのか、海外=怖いという定義が頭の片隅にずっとあった。

旅行は好きだけど、安全な国内だけでいい。

第一、海外で一人旅なんてさすがに無理だし。

 

そんな先入観や凝り固まった持論は、「gossip girl」に難なく覆されたのだった。

 

 

ふとした時に訪れる、不思議な運命

 

「来年きっとニューヨークへ行こう」

 

私は「とりあえず」就職したわけだけど、図々しくも社会人1年目にしてそんな考えを持っていた。

今考えると新人のペーペーが長期休みを取ろうだなんて、なんて生意気だ。

それでもそのときは、自分は何をしてでも近いうちにニューヨークへ行くだろうという謎の確信があった。(そしてそれが現実になったのだから不思議だ)

 

ざっと調べてみると、一年を通して旅費が安いのは3月頭ぐらい。

じゃあ3月を目安にして計画を立てるために、まずは一緒に行ってくれる人を探そう。

一人旅はやっぱり怖いので、それによってこの旅を決行するかしないかが決まる。

…見つからなければ断念するしかないかもしれない。

この問題が当時の私の、一番重要な鍵だった。

 

ぶっちゃけるとアテは全然無かった。

同世代はほとんど社会人になっているし、ペーペーの新人がいきなりまとまった休みを取れるとは思えない。(自分もだが)

というか、そもそも海外に興味がありそうな友達が全く思い当たらないのだ。

せっかく一緒に行くのなら、「ついてきてもらう」のではなく「一緒に」行きたい。

それもニューヨークでなくても、私と同じように海外に憧れや関心を持っている人がいい。

…うーん。そんな友達、周りにいたっけな。

今思うと運命を左右すると言っても過言ではない状況の中だったが、ここでもなぜか不思議と焦りはなかった。

 

 

その年の夏。

職場で知り合った人が、ここ最近よく私に声を掛けに来てくれるようになった。

私より年上の彼女は、パワフルで明るくさっぱりした性格だ。

私にとっては「少し歳の離れた友達」という感じで、とても話しやすい。

何度目かの会話の中で、彼女はバンドが好きだという話をしてくれた。

そのバンドマンの故郷がニューヨークなので、いつかニューヨークへ行ってみたい、と言う彼女。

思わず私は「私ニューヨーク行きますよ!」と言ってしまった(まだ何も決まってないのに)

 「え、いいなあ!」

「一緒に行きます?」

私の誘いに迷わず肯定した彼女は、私と似ているなと思った。

 

こうして、懸念していた「同行者」はあっという間に決定したのだった。

 (これは確実に祖父譲りなのだが、私は昔から誰とでも友達になることができた。

引っ込み思案のわりには知らない人に声を掛けるのは容易いし、話をするのも得意。

この能力は人好きの私にとってとても都合のいいものだし、受け継ぐことができて祖父に感謝している。もしくはこの能力があるから人好きなのかもしれない)

 

出会って間もない彼女と私。

話したことも、まだ数えられるくらいしかない。

それがいきなり、ふたりで海外旅行だなんて。

私のワクワクは、より大きなものになった。

 

ここからはニューヨークへの期待を、彼女とお互いに高め合うようになる。

 

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